年度と契約の扱いを確認
第58項の適用時期、識別・期間・借手処理の規定を準備の出発点にします。
根拠1を確認適用年度・報告範囲を決めたうえで、契約書と支払情報を突合し、候補を漏れなく集めます。リースかどうか、期間や割引率をどう扱うかは会社が専門家と確認します。経理代行には、資料収集・台帳整備・承認済みルールによる照合などの支援範囲を相談できます。
新リース会計の準備実務ガイド
新リース会計基準への対応では、計算ソフトを選ぶ前に、自社がどの会計基準で報告し、いつから適用するのかを確認します。原則適用の開始日は2027年4月1日ですが、その日以後に始まる連結会計年度・事業年度が対象です。全企業が同じ月に切り替わるわけではありません。本記事は借手側の準備を中心に、契約資料を集め、会社の会計判断を記録し、月次処理へつなぐ方法を整理します。
企業会計基準第34号は、借手のリースについて使用権資産とリース負債を計上する基本的な考え方を示しています。ただし、中小企業も含めて全社に自動適用されると一括りにはできません。個別財務諸表で使う会計ルールと、親会社向けの連結報告で必要な対応を分けて確認し、会社の責任者が準備範囲を決めます。
QUICK ANSWER
通常の12か月決算を前提とした原則適用の例です。会社の採用基準や早期適用の有無は別途確認します。
| 区分 | 開始する年度 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 原則適用 | 2027年4月1日以後に開始する連結会計年度・事業年度 | 企業会計基準第34号第58項 |
| 3月決算の例 | 2027年4月1日開始・2028年3月期 | 2027年3月期と混同しない |
| 12月決算の例 | 2028年1月1日開始・2028年12月期 | 2027年4月の途中から一律変更ではない |
| 早期適用 | 2025年4月1日以後に開始する連結会計年度・事業年度から可能 | 会社の方針と必要な報告を確認 |
決算期変更や変則決算の場合は、この例をそのまま使わず実際の年度開始日で確認します。
EVIDENCE & DECISION
基本ルールの確認と、会社ごとの処理方針の決定を分けて進めます。

VISUAL GUIDE
台帳へ入力する前に判断者を決め、変更後も根拠へ戻れる形にします。
個別決算と連結報告を混同し、どの台帳を作るかが曖昧です。
契約書のどの条件を根拠に期間等を決めたか追えません。
同一契約の構成部分や契約変更をつなぐ識別番号がありません。
支払、利息、償却、残高、注記のどこまでを照合するか未定です。
会社の責任者が個別・連結の範囲を決めます。
契約台帳、支払明細、現場への照会を突合します。
識別、構成部分、期間、割引率の根拠を整理します。
適用指針等を確認し、旧台帳との対応を会社が承認します。
支払・利息・償却・変更・残高を契約単位で照合します。
現場からの通知、未解決管理、決算報告の担当を決めます。
現場が管理する設備や倉庫、総務の車両などが候補から漏れます。
賃貸借という表題だけで含めたり、サービス契約だからと除外したりします。
利息、契約変更、開始残高の違いを区別せず、差額だけを修正します。
初回の台帳はできても、延長、解約、増床などの情報を更新できません。
会社の決算月、採用する会計ルール、親会社への報告条件、早期適用の予定を確認します。個別決算での適用と、連結パッケージで必要になる情報が同じとは限りません。どの法人・報告単位で何を準備するかを会社の経理責任者が決めます。
原則適用日は年度の開始日で判断します。2027年4月1日を含む年度ならすべて対象という読み方は誤りです。基準が適用されない会社でも親会社から契約情報を求められる場合があるため、社内の準備要否を企業規模だけで決めないようにします。
経理保管の賃貸借契約に加え、総務の車両、工場の機器、物流の倉庫、店舗の区画などを照会します。支払明細から家賃・賃借料等を抽出し、契約一覧と突き合わせると、書類の提出漏れや名称の違いを見つける手がかりになります。
直近の月次支払だけでは、年払い、前払い、支払開始前の契約を拾えない場合があります。更新予定表や発注情報も補い、候補に入れた理由と除外判断を残します。候補の収集は対象の確定ではなく、専門的な確認へ進むための下準備です。
契約名だけでなく、特定された資産と、その使用を支配する権利に関する条件を確認します。サービスを購入する契約に資産の利用が含まれる場合も、直ちに全体をリースとせず、契約条項と実際の利用条件を会社の判断者へ渡します。
リース部分と保守などの非リース部分を区別する扱いや、基準で認められる選択についても確認が必要です。外注担当者が金額だけで分割したり、クラウド利用料などを一律に対象へ入れたりしません。判断結果、対象部分、適用する方針を台帳へ反映します。
契約書の表紙にある期間と、会計上のリース期間を同じと決めつけません。延長オプションや解約オプションの条項、会社の利用計画、拠点移転の予定などを集め、基準に沿ってどの期間を含めるか検討するための資料を用意します。
判断の根拠が「たぶん更新する」だけでは後で説明しにくくなります。会社が判断した日、参照した条件、承認者を残し、重要な事情変更が起きた場合の連絡経路も決めます。契約書の更新日と会計上の再評価の要否は、別の項目として確認します。
契約単位で支払額、支払日、通貨、開始時の支払、変動条件等を整理します。そのうち負債計算に含めるものを、会社が採用する方針に沿って区別します。請求書の月額を一つ入れればすべて計算できると考えず、元契約との一致を確認します。
割引率は、単に直近の借入金利をすべての契約へ流用するのではなく、基準と実際の条件に照らして会社が決定します。経理代行は資料の収集や承認値の入力を支援できても、未承認の率を独断で決めません。使用した値と根拠の版を保存します。
移行に用いる方法や認められる取扱いは、基準・適用指針等を確認して会社が決めます。旧リース台帳、前払・未払、固定資産台帳などとの対応を整理し、新しい使用権資産とリース負債の開始残高へどうつながるかを説明できる形にします。
同じ取引を旧処理のまま残し、新しい仕訳も追加すると二重計上のおそれがあります。旧処理をいつまで使うか、どの勘定を振り替えるか、未解決差異をどう扱うかを確認します。計算表の総額が合うだけでなく、契約単位の根拠と仕訳の対応を検証します。
負債の動きと使用権資産の動きは、同じものとして扱いません。負債では開始残高、利息、支払、変更等をつなぎ、資産では取得、償却、変更等を確認します。毎月の支払額がそのまま負債の減少額になるとは限らない点が照合の出発点です。
単純化した架空例で、負債の期首50万円、当期利息3千円、支払12万円、他の増減なしなら期末は38万3千円です。これは負債の増減例であり、使用権資産の残高や実際の仕訳を示すものではありません。差異は利息・変更・支払時期ごとに調べます。
増床、機器追加、解約、期間の変更、支払条件の変更などを、契約部門が経理へ知らせる手順を作ります。変更の合意日、適用日、変更前後の条件を記録し、通常の請求額変更として処理する前に会計上の扱いを確認します。
契約変更を伴わなくても、基準上の再評価を検討する場面があります。一方、すべての契約を毎月自動で同じ方法に再計算するという意味ではありません。会社の判断者が扱いを確認し、計算表と仕訳に反映した版、適用月、確認結果を残します。
表計算を使う場合は、入力欄、計算式、会社の承認値を区別し、変更できる人を決めます。契約番号、対象月、通貨、単位をそろえ、月と年や円と千円を混同しないようにします。ソフトを導入する場合も、入力条件の誤りが自動で解消されるわけではありません。
通常契約だけでなく、支払開始のずれ、途中変更、解約など代表的な条件で試算します。会社が確認した期待結果と照合し、不一致の理由を記録します。修正版を作った場合は旧版を識別して保存し、どの版から仕訳と報告を作ったか追えるようにします。
決算報告では残高だけでなく、必要な表示・注記へつながる情報も確認します。連結報告先がある場合は、様式、通貨、提出期限、契約変更の報告単位を事前にすり合わせます。経理代行へ月次照合だけを依頼する場合、開示資料の作成範囲は別途合意します。
会計上の使用権資産を計上したことだけで、税務上の処理や償却資産申告の所有者まで同じになるとは限りません。会計、法人税等、地方税の資料を混同せず、該当する専門家や自治体へ確認します。監査対象の会社では監査人との協議も会社が主導します。
拠点ごとに設備や車両を利用する会社では、現場が契約内容を把握し、経理は支払だけを見ている場合があります。契約の保管者と支払の担当者を結び、候補の不足を埋めることから始めます。地域や業種だけで対象契約を決めず、実際の利用条件を確認します。
キャシュモの標準化・ダブルチェック、葵パートナーズの記帳や支払予定の整理を参考に、収集担当と確認担当を分ける視点を取り入れます。競合の公開業務を参考にした運用提案であり、当社がリース会計の専門判断や導入支援を一律に提供するという意味ではありません。
監査対象会社やグループ会社では、契約台帳を作り直す前に会社の会計責任者と報告先へ必要項目を確認してください。各部門へ違う様式を何度も依頼すると負担が増えます。共通の収集項目と、会社固有の判断欄を分けて設計すると受渡しを整理できます。
初回相談では決算月、採用基準、契約の種類と概数、保管場所、利用ソフトを整理します。資料収集・入力・照合のどこを委託するかを決め、会計方針の決定、計算システム導入、税務、監査対応はそれぞれの責任者と確認します。
会社は取引事実、契約、金額、期限、例外、資金移動、最終承認を担います。経理代行は承認済み資料の整理、入力、照合、一覧化、結果報告を支援します。
税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士、社会保険・労働保険の申請書等の作成や提出代行等は社会保険労務士、契約その他の法的判断は弁護士へ確認します。
READY-TO-USE TEMPLATE
業務範囲を打ち合わせるための確認表です。実際の処理履歴を記入する台帳ではありません。下表の資料・責任者・時点を基に、運用台帳へ担当者名、期限、結果、未解決理由を追加してください。
| 確認する実務 | 用意する資料・記録 | 会社側の確認者 | 確認時点 |
|---|---|---|---|
| 適用年度と報告範囲 | 採用基準・年度・報告先一覧 | 経理責任者 | 準備開始時・方針変更時 |
| 契約候補の漏れを探す | 部門照会・支払突合・候補一覧 | 契約担当部門・経理責任者 | 初回収集時・新規契約時 |
| リースの識別と構成部分 | 識別・構成部分・方針の記録 | 会社の会計判断者 | 初回判定・契約内容変更時 |
| 契約期間と延長・解約条件 | 契約期間・オプション・利用計画表 | 契約部門・経理責任者 | 判定時・重要な事情変更時 |
| 支払条件と割引率の根拠 | 支払条件・採用値・根拠資料表 | 会社の会計判断者 | 計算前・再計算時 |
| 移行方針と開始残高 | 移行方針・旧新対応・開始残高表 | 経理責任者 | 移行承認前・開始残高確定時 |
| 月次の負債・資産・支払照合 | 契約別の負債・資産・支払照合表 | 月次決算の確認者 | 月次締め時 |
| 契約変更と再評価の連絡 | 変更通知・判断・反映履歴 | 契約部門・会計判断者 | 変更把握時・反映月の締め前 |
| 計算表とシステムの検証 | 試験条件・期待結果・版管理表 | 経理責任者・システム担当 | 導入前・重要な更新後 |
| 開示・税務・資産申告の区別 | 報告要件・税務照会・未決事項一覧 | 経理責任者 | 方針決定時・決算前 |
記入例を自社条件へ置き換えて使用してください。コピーすると表計算ソフトへ貼り付けられるタブ区切り形式になります。
架空の準備例です。会社は工場設備、車両、倉庫の契約候補を集め、経理代行が契約番号と支払資料を対応付けます。会社が専門家と期間等を確認した後、承認値で試算し、旧台帳との残高差異を解消します。契約変更は現場から会社の窓口へ通知する運用を試します。基準への適合や準備期間を保証する事例ではありません。
原契約を取得できた候補数÷収集対象候補数×100。対象ゼロは対象なし
識別や対象部分の会社判断が未完了の契約候補数
期間・割引率などに参照資料や承認がない項目数
旧新対応の確認が終わっていない差異の件数と金額
会社が定めた通知期限を過ぎて経理へ届いた変更件数
照合・確認済み契約数÷月次対象契約数×100。対象ゼロは算出しない
SERVICE
新リース会計への準備では、契約資料の整理、支払との突合、台帳入力、承認済みデータの集計など、当社で支援可能な範囲を個別に確認します。会計方針や割引率の決定、監査、システム導入を通常の経理代行に自動で含めるものではありません。必要な専門家との役割も整理します。
適用範囲・会計方針・採用値・移行残高を決定し承認
合意済みの資料整理、記帳、照合、集計と未解決事項の報告を支援
会社が必要な助言を求め、監査対象では監査人と協議
対応範囲は資料量、件数、利用システム、締め、例外処理を確認して事前にご案内します。専門資格が必要な判断・書類作成・代理手続きは当社サービスの範囲外です。
PRICE
記帳・給与計算・請求書発行をセットにした、規模に合わせて選べる月額プランです。業務量や資料の状態を確認したうえで、必要な範囲をご案内します。
横にスワイプしてプランを確認できます
〜5名・小規模事業者向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
〜10名・中小規模向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
〜15名・成長企業向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
仕訳数・人数・請求書の件数を超える場合は追加費用が発生します。詳しくはお問い合わせください。
料金ページを見る →FAQ
A. 全企業一律ではありません。採用基準等を確認し、対象企業は原則として2027年4月1日以後に開始する連結会計年度・事業年度から適用します。
A. 通常の12か月決算で原則適用する例では、2028年1月1日開始の2028年12月期です。早期適用、決算期変更、連結報告の条件は別途確認します。
A. 表題だけでは決められません。特定された資産と使用を支配する権利などの条件を確認し、会社が基準に沿って判断します。
A. 会社の会計方針や採用値の判断は必要です。当社の資料整理・照合等の支援範囲、専門家への相談、監査対象での協議を分けて準備します。
本文の判断軸と、確認に使った一次情報の対応を示します。
適用時期と会計の基本事項はASBJの公式資料に基づきます。下記の収集表、試算手順、指標、役割分担は当社の準備提案で、会社の会計方針や監査意見を代替しません。 制度の適用時期・要件は上記の一次情報を確認してください。確認表、管理指標、社内の準備日程、分担、架空例は当社の運用提案であり、法令が一律に定める標準や当社の導入実績、成果保証ではありません。契約・件数・規程に合わせて調整してください。
新リース会計の準備実務ガイドでは、参照先の最新版と自社規程・実態を確認し、会社の責任で会計判断と財務報告を行います。専門家の助言や監査人との協議は、その責任を移すものではありません。税務判断・申告は法令上認められた専門家の範囲を確認します。
現在の資料量、利用システム、困っている工程を伺い、外注できる範囲と料金の目安を整理します。資料が完全にそろっていなくても、分かる範囲からご相談いただけます。
無料相談・お見積りはこちら