対象を先に判定
取引内容と企業規模等を確認し、外注費全体へ一律に当てはめません。
根拠1を確認対象取引を会社が判定し、発注明示と実際の受領日を経理へ共有します。請求書到着日と切り離して支払期日を管理し、手形等の支払手段、振込手数料控除、満額支払を点検します。価格協議や変更、支払結果まで記録へ残します。
取適法に沿う支払管理実務ガイド
2026年1月1日に施行された取適法への対応は、振込手数料の設定を変えるだけでは終わりません。どの委託取引が対象かを確認し、発注条件、実際に受け取った日、支払期日、受託先が受け取る額をつなげる必要があります。経理へ請求書が来て初めて取引を知る会社では、発注や受領の情報が抜けやすくなります。購買・現場・経理・法務で判断を分担し、請求書の遅れや検査待ちを理由に支払が遅れない運用へ整えましょう。
取適法は、改正後の中小受託取引適正化法の通称です。対象となる委託の内容と、資本金基準又は従業員基準等を確認して適用を判断します。勘定科目が外注費というだけでも、小さな取引先というだけでも決まりません。この記事は2026年8月31日時点の公正取引委員会の案内に基づく一般的な整理です。個別取引の該当性と契約条件は法務・専門家等へ確認します。
QUICK ANSWER
支払データの入力担当だけに法律上の判断を任せず、根拠を共有します。
| 確認段階 | 会社で判断すること | 経理で照合する情報 |
|---|---|---|
| 発注前・発注時 | 取引の対象判定と発注条件 | 判定根拠・発注明示・支払期日 |
| 受領・役務提供時 | 実際の受領や完了の事実 | 受領日・数量・役務提供日と期間 |
| 支払準備・実行時 | 支払手段・控除・変更の適法性 | 期日・満額・手数料・実行結果 |
| 変更・記録確認時 | 価格協議・是正・保存方針 | 変更理由・支払実績・7条記録 |
支払期日は原則として受領日等から起算して60日以内のできる限り短い期間内に定めます。60日まで必ず待ってよいという意味でも、請求書到着から60日という意味でもありません。
EVIDENCE & DECISION
適用範囲、委託事業者の義務、禁止事項、実務Q&Aを分けて確認し、社内の支払処理へ落とし込みます。

VISUAL GUIDE
検査や請求書の遅れを、起算日を後ろへずらす理由にしません。条件変更は法務等の確認と記録を経て反映します。
取引内容・規模・発注日と根拠を確認します。
条件を相手へ示し、経理へ共有します。
検査日や請求書到着日と分けて管理します。
手形等の手段・手数料・控除を確認します。
実際の支払結果とエラーまで確認します。
変更・協議・支払・未解決を保存します。
資本金だけを見て、従業員基準や委託内容を確認していません。
実際の受領日が経理へ届かず、支払起算点を誤っています。
契約を見直しても、支払マスターの控除設定が残っています。
受領・変更・支払結果の経緯が記録から抜けています。
発注条件、受領、価格変更が別々の一覧にあります。
相手の了解だけで禁止行為を避けられると思い込んでいます。
振込ファイルを作った時点で、期日内の支払済みと扱っています。
製造、修理、情報成果物作成、役務提供、特定運送など、実際に委託する内容から対象類型を確認します。その類型に応じて、資本金基準又は従業員基準を照合します。どちらかの基準に該当し得るため、資本金だけで対象外とは決めません。
発注時点の情報と判断根拠を残し、相手先や委託内容が変わったら更新します。取適法の対象外でも他の法令や契約上の義務がなくなるわけではありません。経理は判定済みの区分と根拠を受け取り、曖昧な取引は会社の法務担当等へ戻します。
対象取引では、発注の際に必要な内容を直ちに書面又は電磁的方法で明示します。内容、受領期日、場所、代金、支払期日、検査等の必要事項を確認し、発注部門と経理で共有します。納品後に請求書を受け取ることだけで明示の代わりにはなりません。
発注時に定められない事項がある場合も、勝手に空欄のまま進めず、正当な理由や後から明示する手続を公式資料で確認します。メールやシステムを使うときは相手へ示した内容と版を保存し、変更した条件も元の発注へ結び付けます。
物品等を実際に受け取った日や役務の提供を受けた日を、現場から経理へ共有します。検査の完了日、社内承認日、請求書到着日とは別の項目です。納品書や受領記録、提供期間等を確認し、月末にまとめて登録する場合も元の日付を残します。
分納、継続的な役務、複数拠点の受領などは、どの単位で起算日を確認するか法務等へ確かめます。運送では報告書が届いた日と役務が完了した日を混同しません。システムの都合で一律に請求日へ置き換える運用は見直します。
支払期日は、検査の有無を問わず受領日等から起算して60日以内のできる限り短い期間内に定めます。発注明示の期日と実際の受領情報を照合し、月末締め等の仕組みで超過する取引がないか確認します。60営業日として計算しません。
請求書の提出が遅れても、定めた期日までの支払が必要です。発注・受領等の情報から金額を確認できるよう、未着の連絡担当を決めます。金融機関の休業日の扱いは条件を確認し、当然に翌営業日へ延ばせるとせず、前倒しも含めた計画を会社が決めます。
2026年1月1日以後の対象発注について、製造委託等代金の支払に手形を交付することは禁止されています。電子記録債権や一括決済方式等も、期日までに代金相当の金銭を得ることが困難なものは使用できません。電子ならすべて使えるとは考えません。
満期日だけでなく、受託先がいついくら受け取れるか、手数料等で満額を下回らないかを確認します。制度や契約の詳細は金融機関と法務等へ確かめ、適切な方法へ変更します。支払方法を変える費用を一方的に代金から引く運用も避けます。
対象取引では、受託先の合意の有無にかかわらず、振込手数料を受託先に負担させ代金から差し引くことは問題になります。過去の合意書を根拠に続けず、支払マスター、振込データ、会計処理、取引先への通知を合わせて見直します。
手数料を会社負担へ変更した一方で、その相当額を一方的に単価から引き下げることも問題となり得ます。別名目の控除へ置き換えて解消したとは扱いません。代金、会社が支払う手数料、受託先への送金額を分け、実行前後に照合します。
受託先から価格協議の求めがあった場合、協議に応じず、必要な説明もしないまま一方的に代金を決めることは禁止されています。経理で問い合わせを受けたときは、購買や契約責任者へつなぎ、申出日、回答、協議内容、結果を残します。
経理代行先は、会社が確認した新しい条件を処理へ反映します。代行担当が価格を独断で決めたり、合意前に旧額・新額を勝手に選んだりしません。変更対象の発注、適用開始日、既存の未払分への影響を会社で確認し、判断待ちを明示します。
請求内容に疑問があっても、経理担当だけで減額、返品、無償のやり直しを決めません。発注内容、受領状況、不具合、相手の責任、変更理由等を確認し、会社の法務等へ判断を求めます。相手が了解したというだけで常に問題がなくなるわけではありません。
差額を保留するときも、対象と理由、期日への影響、確認担当を明示します。社内の承認待ちを理由に支払全体を止めないよう、早く責任者へ上げます。既に不適切な控除や遅延が疑われる場合は、是正と必要な遅延利息等の確認につなぎます。
対象取引は7条に基づく記録を作成し、2年間保存する義務があります。発注明示の写しだけでなく、実際の受領、検査、変更・やり直しの内容と理由、支払額・日・方法等の必要な経緯を残します。条件を示した記録と、実績の記録を対応付けます。
保存期間の起算や必要事項を公式資料で確認し、会社が取り出せる保存先と担当を決めます。2年経てば関連資料を全部削除してよいわけではありません。税務上の帳簿・証憑、電子取引情報、契約等について別の保存要件も確認します。
振込データの作成、会社の承認、銀行への送信、実際の支払結果を分けて確認します。口座情報の誤りや残高不足等で実行できていないものは、データ作成済みを支払済みにしません。期日と満額、対象発注との対応を確認し、異常は責任者へ伝えます。
月次で対象未判定、受領日不明、請求書未着、手数料控除、期限超過等を一覧にします。取適法への適合性を代行先の入力チェックだけで保証せず、会社が判断と是正を行います。変更したマスターが次の支払にも反映されたか再確認します。
取適法の対応では、経理が請求書を待つだけの流れを見直すことが重要です。発注部門が条件を示し、現場が実際の受領を記録し、会社が支払条件を判断します。経理代行を使う場合も、この会社側の役割を残して情報が届く時点を決めましょう。
愛知・名古屋の製造・物流等で委託先が多い会社では、取引先単位だけでなく委託内容や発注条件の違いを確認します。同じ相手でも取引ごとの判断が必要になる場合があります。拠点ごとに記録した受領日を本社へ集約し、支払月だけで起算日を置き換えません。
キャシュモの業務標準化・確認工程と、葵パートナーズの請求・振込等の業務区分は、支払準備と会社判断を分ける参考です。他社の公開情報は当社による取適法の適合保証を示しません。対象判定や契約の法的判断は会社と専門家で確認します。
相談時は、委託取引の種類、会社で判定した対象範囲、受領日の管理、現在の支払条件をお知らせください。個別の契約書等は共有方法を確認してから扱います。資料整理、期日・金額の照合、例外一覧について依頼できる範囲をご案内します。
会社は取引事実、契約、金額、期限、例外、資金移動、最終承認を担います。経理代行は承認済み資料の整理、入力、照合、一覧化、結果報告を支援します。
税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士、社会保険・労働保険の申請書等の作成や提出代行等は社会保険労務士、契約その他の法的判断は弁護士へ確認します。
READY-TO-USE TEMPLATE
打合せ前に必要な資料・担当・時点を確認する表です。処理履歴を記入する台帳とは別です。運用を始める際には、自社の担当者名、期限、確認結果、未解決事項の欄を追加してください。
| 確認する実務 | 用意する資料・記録 | 確認する担当・関係者 | 確認時点 |
|---|---|---|---|
| 取引内容と規模の判定 | 委託内容・規模情報・発注日・対象判定と根拠 | 会社購買・法務・契約責任者 | 新規取引前・発注時・条件変更時 |
| 発注内容等の明示 | 発注明示・交付日時・必要事項・未定事項の扱い | 会社発注担当・契約責任者・経理窓口 | 発注時・内容確定時・変更時 |
| 受領日と役務提供日 | 受領日・数量・役務提供日と期間・根拠資料 | 現場受領者・購買・会社経理責任者 | 受領・役務提供の都度・月次照合時 |
| 支払期日と未着請求書 | 受領日起算の期日・支払カレンダー・請求書未着 | 会社経理・購買・法務・支払承認者 | 発注条件設定時・各回の支払準備前 |
| 手形等の支払手段 | 支払手段・満期日・資金化条件・手数料・適用発注 | 会社財務・法務・金融機関の担当 | 支払条件の合意時・手段変更前 |
| 振込手数料と控除設定 | 手数料負担・控除内訳・マスター・送金額と結果 | 会社経理・支払承認者・契約責任者 | 設定変更時・毎回の支払前後 |
| 価格協議と変更の記録 | 協議の申出・回答・理由・合意・適用する発注 | 会社購買・契約責任者・法務・経理窓口 | 協議申出時・価格や条件の変更前 |
| 減額・やり直しの確認 | 差異・不具合・変更理由・法務確認・是正記録 | 購買・現場責任者・法務・支払責任者 | 差異発見時・減額や変更の処理前 |
| 7条記録と保存 | 7条記録・発注との対応・保存期間・検索と閲覧 | 会社保存責任者・購買・経理・税理士等 | 取引の各段階・定期点検・契約終了前 |
| 支払結果と例外点検 | 支払実績・エラー・期日と満額・例外と是正 | 会社支払責任者・経理担当・法務・委託先 | 支払実行後・月次点検時 |
この表は打合せ・照合前の準備用です。処理履歴の台帳には、対象番号、担当者名、期限、確認結果、未解決事項を追加してください。コピーはタブ区切り形式です。印刷前に表だけのプレビューを確認できます。
架空の支払照合例です。取適法の対象取引で、確定した代金が60万円、会社が金融機関へ払う振込手数料が880円とします。代金から手数料を引いた59万9,120円を送ると、受託先への支払は880円不足します。
他の控除や調整がない前提なら、受託先へ60万円を送り、会社が手数料880円を別に負担するため、会社の資金流出は60万880円です。これは手数料相場や当社料金を示すものではありません。契約・取引内容と実際の支払結果を確認するための例です。
別の架空例で、対象期間に期日が到来した20件のうち、期日までの満額支払を18件で確認できれば90%です。残る2件は未払い、遅延、不足、確認未了の内訳を分けます。振込データを作った件数を分子へ入れず、問題がない2件として埋めません。
対象期間、対象判定済みの取引、支払単位、集計日を固定します。未判定の取引を対象外として隠さず別に件数を出します。割合の分母0件は算出しません。期日内にデータを作ったことではなく、必要な支払結果を確認したことを集計します。 期限付きの割合は各算式の期限到来分だけを対象にし、未到来の前倒し完了は到来後に数えます。期限変更・取消は元の期限と理由・件数を別記し、過去の未達を消しません。 支払期日の変更が法的に認められるかは、指標とは別に確認します。
集計日時点で委託内容・規模・発注日の確認が終わっていない取引数
起算日の根拠を確認した対象取引数÷確認対象の取引数×100(%)
対象期間に当初支払期日が到来した取引のうち当初期日までに満額支払を確認した数÷同じ対象数×100(%)
対象期間の支払で振込手数料の受託先負担が見つかった件数と金額(円)
集計日時点で会社の担当・回答方針の確認が進んでいない協議申出数
集計日時点で発注・受領・変更・支払の必要事項に不足がある対象取引数
SERVICE
当社は、会社で確認した取引条件に基づく資料整理、入力、支払予定と実績の照合、未処理の一覧化について支援範囲を確認します。取適法の適用判定、価格決定、契約変更、支払承認を代行担当が独断で行うものではありません。不明点を会社の責任者へ戻し、法務や専門家の確認と処理を分けて進めます。
適用判定・発注明示・価格協議・法務判断・支払承認を担当
合意した資料整理・入力・照合・集計を実施し、差異と未処理を報告
税務・労務・法務・システム上の専門判断と、会社が承認するための回答を担当
対応範囲は資料量、件数、利用システム、締め、例外処理を確認して事前にご案内します。専門資格が必要な判断・書類作成・代理手続きは当社サービスの範囲外です。
PRICE
記帳・給与計算・請求書発行をセットにした、規模に合わせて選べる月額プランです。業務量や資料の状態を確認したうえで、必要な範囲をご案内します。
横にスワイプしてプランを確認できます
〜5名・小規模事業者向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
〜10名・中小規模向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
〜15名・成長企業向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
仕訳数・人数・請求書の件数を超える場合は追加費用が発生します。詳しくはお問い合わせください。
料金ページを見る →FAQ
A. 勘定科目だけでは決まりません。実際の委託内容と、該当する資本金基準又は従業員基準等を確認します。個別の取引の判定は会社の法務・専門家等へ確認します。
A. 請求書の遅れだけを理由に支払期日を超えることはできません。実際の受領日等と発注条件を確認し、期日までに支払えるよう未着資料と金額の確認を進めます。
A. 現在の取適法の対象取引では、合意の有無にかかわらず、振込手数料を受託先に負担させ代金から差し引くことは問題になります。旧設定や別名目の控除も確認します。
A. 発注明示だけでなく、7条記録として必要な受領・変更・支払等の経緯も残します。税務上の帳簿や証憑等には別の保存要件があるため、2年後にすべて削除してよいわけではありません。
本文の判断軸と、確認に使った一次情報の対応を示します。
公正取引委員会の現行の取適法資料を参照しています。旧下請法の記事にある書面合意による振込手数料控除の説明を、現在の対象取引へそのまま流用しません。確認表、社内担当、点検指標は独自の運用提案であり法定様式の代替ではありません。 出典は2026年8月31日時点で確認。確認表、頻度、工程例、指標は法令が定める統一様式ではなく、各社の契約・件数・期限・規程へ調整する提案です。競合の公開情報は当社の提供範囲や実績を証明しません。個別の税務・労務・法務判断は資格者へご相談ください。
取適法に沿う支払管理実務ガイドでは、参照先の最新版と自社規程・実態を確認し、税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士、社会保険・労働保険の申請書等の作成や提出代行等は社会保険労務士、契約その他の法的判断は弁護士へご相談ください。
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