税務の依頼先を区別する
税務代理・税務書類作成・税務相談と一般の会計事務を分ける参考です。
根拠1を確認業務を受付・事実確認・処理・会社承認・完了確認へ分け、担当と受渡し条件を決めます。定型処理は合意した範囲で委託し、取引・金額・例外の判断は会社へ、税務相談等は税理士へ接続。主担当が不在の場合も同じ確認を通せるようにします。
小規模会社の経理分担実務ガイド
請求書を作るのは事務員、通帳を確認するのは親族、帳簿を作るのは経理代行、税務は税理士。それぞれに担当がいても、取引の確認や支払の承認が抜けると仕事は止まります。小規模会社の分担は、人を並べるだけでは完成しません。「何が届いたら始め、何を確認して、誰へ返すか」まで工程ごとに決めます。ここでは関係者の役割を一枚で照合する方法を扱い、親族への引継ぎの進め方や窓口の必要時間は別の記事で補います。
現場が納品を確認したこと、経理担当が請求金額を照合したこと、会社が支払を認めたことは同じではありません。分担表には「確認」とだけ書かず、対象と判断内容を記載します。妻・夫・親族という関係や、事務員という職名だけで権限は決まりません。五者は関わり方を考える例であり、五人を配置する必要があるという意味ではありません。
QUICK ANSWER
実際の担当は会社規程と契約で決めます。親族がいない場合や複数の役割を兼ねる場合も、工程の区分は残します。
| 関係者 | 担う役割の例 | 肩書だけで任せないこと |
|---|---|---|
| 社長・社内承認者 | 取引・資金・例外・範囲変更の決定 | すべての入力と資料回収を抱える |
| 妻・夫・親族 | 事情の説明、会社が指定した資料確認 | 親族という理由で全口座を操作 |
| 事務員・社内窓口 | 資料受付、現場への確認、期限連絡 | 不明な税区分や支払可否を独断で確定 |
| 経理代行 | 契約した入力・一覧作成・照合・報告 | 契約外の判断や会社名義の最終承認 |
| 税理士 | 依頼した税務代理・税務書類作成・税務相談等 | 契約していない日々の督促・支払まで当然に担当 |
税理士の会計支援や経理代行の処理範囲は契約で異なります。社労士・弁護士等への相談が必要な事項は、五者以外の依頼先も分担表へ追加します。
EVIDENCE & DECISION
資格業務の範囲と情報管理を一次情報で確認し、具体的な業務分担は会社の運用例として示しています。

資料を渡したことと、その工程の完了を区別していません。
一人が作って承認する工程に、別の確認を置いていません。
担当交代後も旧担当へ資料や質問が届いています。
請求・入金・支払・経費・給与・記帳の順に入口を確認します。
納品・検収・勤務・用途など、社内でしか分からない情報を特定します。
主担当の処理と、会社が判断する事項を分けます。
誰が質問を集約し、誰が回答を処理へ反映するかを明記します。
相手へ何を返せば担当工程が終わるかを決めます。
一件の取引を入口から結果まで追い、不在時の代替も確認します。
作成担当はいるものの、納品・単価・値引きを確定する人がいません。
入金は記録しても、どの請求に充てるかや不足の確認が残ります。
請求書を受け取ったという返信だけで支払へ進みます。
不明な事項をまとめる人と、回答を帳簿へ戻す人が未定です。
VISUAL GUIDE
人の並び順ではなく、一つの取引を引き渡す工程として確認します。
請求書を作る前に、営業や現場が納品・役務提供、請求先、数量、単価、値引きを確認します。事務員や経理代行が作成を担当する場合も、分からない条件を推測して埋めません。社内承認者が請求内容を確定し、作成に使った版を残します。
送付担当は社内か外部かを一つに決め、送付結果と再発行の履歴を共有します。作成を委託した契約に送付まで含まれるとは限りません。変更後の請求書だけを渡すのでなく、旧版の扱いと相手への説明を誰が確認したかも記録します。
口座に入金があったことを記録する担当と、対象の請求へ充てる担当を決めます。合算入金、手数料差引き、名義違い等は社内で取引事情を確認し、経理代行は根拠が確認できた内容を反映します。理由不明の差額は一覧に残します。
未入金の連絡は、営業や社長が関係性と契約条件を踏まえて方法を判断します。経理代行へ消込を委託しただけで、取引先への督促も任せたことにはなりません。連絡結果を次の入金予定へ戻し、帳簿と営業側の説明を一致させます。
受領した請求書を集める人は、重複、対象期間、発注や契約との対応を確認できる状態にします。納品や役務の完了は、その事実を知る現場が確認します。親族が紙を預かっていても、現場の検収を代わりに認める権限があるとは限りません。
受付済み・検収待ち・会社承認待ちを分けると、どこへ確認すべきか明確になります。請求書があることだけを支払の根拠にせず、未着の請求や口座変更も確認対象にします。経理担当が取引内容を判断できない場合は、そのまま保留理由を伝えます。
支払候補の作成、会社の承認、銀行等での実行、結果照合を分けます。経理代行が候補を作る場合も、会社が対象、金額、口座、予定日を確認します。銀行サービスの利用条件に沿って、実行できる人と承認できる人を設定します。
作成者が実行も兼ねる場合には、別の人による承認や結果確認を組み込みます。小規模会社だからという理由で本人の自己申告だけを完了証拠にしません。銀行の処理結果と支払一覧を突き合わせ、不成立や取消しがあれば消込の扱いも戻して確認します。
支出した本人が日付、用途、相手先、領収書等を用意し、会社の承認者が会社負担の支出かを確認します。資料を預かる人と承認する人を区別します。社長や親族の立替でも、個人の支出と会社の支出の関係を説明できる記録が必要です。
資料が不足する場合は、会社が事実を補い、税務上の扱いが不明なら税理士へ相談します。経理代行は会社の承認と専門家の回答に沿って処理を行います。精算済みか、次回へ繰り越すかまで残し、同じ領収書が再び支払候補に入ることを防ぎます。
給与計算の前には、勤怠、入退社、手当、控除の変更を会社が確認します。計算を外注しても、実際の勤務や雇用条件まで外部担当だけで確定できるとは限りません。変更を伝える担当と、計算に反映されたかを確認する担当を決めます。
給与結果は総額だけでなく、変更があった人や項目を会社が照合します。社会保険・労働保険の申請書作成や提出代行等は社労士等との契約を確認し、一般の給与資料整理と区別します。従業員別情報の閲覧者は、担当する処理に必要な範囲へ限定します。
経理代行や税理士が記帳を担う場合、同じ期間を二重に入力しないよう正本の帳簿と処理担当を決めます。社内は取引事実と資料を提供し、処理側は不明点を明示します。通帳、カード、債権債務など、どの残高まで照合する契約かも確認します。
月次の受渡しは試算表だけでなく、未処理、差異、会社回答待ちを含めて行います。会社側の受入担当は、入力件数だけで完了とせず、必要な期間と資料がそろったか確認します。税理士への引渡しも、確定した版と保留事項をセットにします。
税理士へ相談する前に、社内窓口が取引日、相手、契約、金額、何が分からないかを整理します。相談を担当した人と、帳簿へ回答を反映する人が違う場合は、結論だけでなく前提も共有します。事実が変われば同じ回答をそのまま使えない場合があります。
税理士の回答を受け取ったら、対象の取引や期間へ反映した結果を確認します。税理士が常に日々の会計処理まで修正する契約とは限りません。社内・経理代行・税理士の間で、回答者、反映担当、確認担当を分けて記録すると伝達漏れを減らせます。
通常の役割表に当てはまらない急ぎの請求、特別支払、過去月修正等は、誰が判断するかを別に決めます。依頼を受け取った担当が善意で処理を広げると、会社承認や契約条件が抜けるおそれがあります。優先順位と影響を責任者へ報告します。
業務を増やす場合は、追加の資料、成果物、料金、期限、権限を確認してから分担表を改訂します。旧版を消さず、適用開始日と変更した範囲を記録します。変更後の最初の取引で、関係者へ同じ説明が届いているかも確かめます。
各工程で主担当が休むときの代替者を決め、必要な資料と権限があるか確認します。普段の担当者がメールを転送しただけでは、代理承認まで認められたとは限りません。会社が認める期間・対象・判断の限度を示します。
分担表の完成後は、一件の請求や支払を入口から結果まで追います。途中で誰も引き取らない工程、二人が同じ作業をする工程、根拠なしに承認が進む工程を見つけて直します。担当者が変わっても、役割と完了記録を基準に引き継げる状態を保ちます。
現場で納品や検収を行う会社では、本社の事務員がすべての取引事情を把握しているとは限りません。工場、店舗、営業所など、事実を知る担当へ確認を戻せる経路を用意します。会計担当が現場の確認まで推測で代行しない分担にします。
親族と事務員が一緒に働く会社では、口頭で分担が変わることがあります。変更自体が悪いわけではありませんが、書類の置き場所、処理中の案件、代理の終了日を共有しなければ翌日以降に漏れます。短い引渡し記録を日常の連絡へ組み込みます。
キャシュモの標準化・確認工程の公開説明と、葵パートナーズの業務別サービス区分を比較材料にします。業務名が同じでも、受付から送付や結果確認まで含む範囲は契約で異なります。他社の説明をそのまま当社の対応保証に置き換えず、工程別に確認します。
相談では、現在誰が請求、入金、支払、給与、記帳を担当しているかを分かる範囲でお知らせください。担当表の空欄や重複から確認できます。実際の担当名や権限は会社が決め、当社は合意する処理と成果物の範囲をご案内します。
会社は取引事実、契約、金額、期限、例外、資金移動、最終承認を担います。経理代行は承認済み資料の整理、入力、照合、一覧化、結果報告を支援します。
税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士、社会保険・労働保険の申請書等の作成や提出代行等は社会保険労務士、契約その他の法的判断は弁護士へ確認します。
READY-TO-USE TEMPLATE
各工程の担当例と会社の確認、完了記録を示した表です。自社の人名、締切、代替者、依頼契約を追記して使ってください。
| 業務・工程 | 主担当の例 | 会社の確認・承認 | 完了の記録 |
|---|---|---|---|
| 売上確定と請求書の送付 | 事務員または契約範囲内の経理代行 | 営業・現場が事実確認、指定承認者が請求を確定 | 承認した請求内容・送付記録 |
| 入金の消込と不足額の確認 | 経理担当または経理代行が入金照合 | 営業等が差額理由を確認、社内責任者が対応を決定 | 消込結果・未入金理由・連絡履歴 |
| 請求書の受付と検収 | 親族・事務員等の資料受付担当 | 発注部署が検収、会社の指定者が例外を判断 | 受付一覧・検収根拠・保留理由 |
| 支払の承認と実行結果 | 指定された銀行利用者が承認済み内容を実行 | 会社の支払承認者が判断、独立した確認者が照合 | 承認版・銀行結果・照合記録 |
| 経費申請と立替精算 | 申請者が資料提出、事務員等が受付・集計 | 会社の経費承認者、税務の疑問は税理士へ確認 | 用途説明・承認・精算結果 |
| 勤怠と給与の確定情報 | 人事・勤怠担当と契約した給与計算担当 | 会社の給与承認者、保険手続き等は社労士へ依頼 | 確定勤怠・変更連絡・給与承認記録 |
| 記帳と残高照合 | 合意した記帳担当と照合担当 | 社内の受入責任者が結果・未処理を確認 | 試算表の版・残高照合・未処理一覧 |
| 税務相談と回答の反映 | 社内窓口が質問を集約、税理士が税務に回答 | 会社が取引事実を確認、処理担当が反映を報告 | 相談資料・回答・反映対象と結果 |
| 例外と担当範囲の変更 | 窓口が例外・変更依頼を整理 | 社内責任者が可否を決定、契約責任者が範囲を合意 | 例外判断・変更版・適用開始日 |
| 代替担当と引渡しの完了 | 業務別に定めた主担当・代替者 | 会社の権限付与者と引渡し先が確認 | 代理の範囲・期間・受渡し確認記録 |
表の項目や担当例は自社条件へ調整し、担当者名・期限・確認結果を追記してください。コピーした表は表計算ソフトのセルへ貼り付けられます。「表だけ印刷する」ではプレビューを確認してから印刷できます。
架空の分担例です。営業が売上を確定し、事務員が必要資料をそろえ、経理代行が請求書を作成します。社長が請求内容を承認した後、契約で定めた送付担当が一度だけ送付。入金後は経理代行が消込を行い、不足額の連絡は営業が担当します。税務の疑問は事務員が事実資料をまとめて税理士へ確認し、回答を記帳担当へ戻します。親族が不在の会社でも同じ工程区分で配置できる例で、当社の顧客事例ではありません。
集計前に対象業務・対象期間・数え方をそろえ、重要性の基準も会社で決めます。率は百分率(%)で表示し、分母が0なら「対象なし」とします。期限超過と未処理は集計日時を併記し、件数・金額・実作業時間を混ぜずに比較してください。
対象とした工程のうち、作業を引き取る人が未定の数
何を許可したか説明できない確認・承認工程の数
約束した成果物や結果が次の担当へ届かなかった件数
回答済みで、対象帳簿への反映確認が終わっていない案件数
資料・権限を確認済みの代替工程数÷対象工程数×100。分母が0なら対象なし
独立照合を除き、同一処理を双方がやり直した時間
SERVICE
当社は受付資料、処理、照合、成果物の受渡しを整理し、社内担当者や顧問税理士との分担を踏まえて支援内容をご案内します。すべての関係者へ指揮権を持つものではありません。会社の承認と専門家の判断を受け、契約した範囲で会計事務を進めます。
取引事実・支払・例外を判断し、担当と承認権限を決定
合意した資料整理・入力・照合・集計を実施し、差異と未処理を報告
税務・労務・法務・システム上の専門判断と、会社が承認するための回答を担当
対応範囲は資料量、件数、利用システム、締め、例外処理を確認して事前にご案内します。専門資格が必要な判断・書類作成・代理手続きは当社サービスの範囲外です。
PRICE
記帳・給与計算・請求書発行をセットにした、規模に合わせて選べる月額プランです。業務量や資料の状態を確認したうえで、必要な範囲をご案内します。
横にスワイプしてプランを確認できます
〜5名・小規模事業者向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
〜10名・中小規模向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
〜15名・成長企業向け
記帳・給与計算・請求書発行をセットで
仕訳数・人数・請求書の件数を超える場合は追加費用が発生します。詳しくはお問い合わせください。
料金ページを見る →FAQ
A. 必要ありません。関係者の例として示しています。親族がいない場合や兼務がある場合も、作業・事実確認・会社承認・専門判断の区分と代替方法を残します。
A. 契約によります。税務の依頼と日常の請求・支払・督促は別に範囲を確認します。誰が取引先へ連絡し、誰が資金移動を承認するかを明示してください。
A. 兼務する工程とリスクを把握し、別の人による会社承認や結果照合等を用意します。一人の自己申告だけで重要な支払が完結しないよう、実際の権限も確認します。
A. 代表的な取引を一件追い、必要資料が届くか、承認の対象が明確か、完了記録が次の人へ戻るかを確認します。主担当の不在と範囲変更も試行対象に含めます。
本文の判断軸と、確認に使った一次情報の対応を示します。
公的資料は税理士・社労士の業務、情報管理、委託先監督と電子取引データの保存に使用。五者の配置、分担表、成果物・締切の例は法定の組織構成や一律の委託範囲を示すものではありません。 出典は2026年8月31日時点で確認。確認表、頻度、工程例、指標は法令が定める統一様式ではなく、各社の契約・件数・期限・規程へ調整する提案です。競合の公開情報は当社の提供範囲や実績を証明しません。個別の税務・労務・法務判断は資格者へご相談ください。
小規模会社の経理分担実務ガイドでは、参照先の最新版と自社規程・実態を確認し、税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士、社会保険・労働保険の申請書等の作成や提出代行等は社会保険労務士、契約その他の法的判断は弁護士へご相談ください。
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